大森 房吉(1868~1923年、地震学・地球物理学、日本)
1923(大正12)年9月1日の正午近く、日本の地震学の権威者で東京大学の大森房吉教授は、オーストラリア・シドニーのリバービュー天文台にいた。現地で開かれる汎太平洋学術会議に出席するために日本代表団の副団長として、病気を押して訪れていたのだ。
天文台の施設を案内され、さらに台長から「これがドイツから購入した地震計です」と促されて観測室に入ったと同時に、その地震計の針が大きくふれ出した。
「大地震だ」。直感した大森教授は、すぐさま地震のデータから震源地を探ってみて、まさに腰を抜かさんばかりに驚いた。
「日本の関東!」。その地震は1万数千㌔も離れた日本の東京付近で発生したのだ。後に死者10万人以上を数える関東大地震(大震災)だった。
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