湯川 秀樹(1907~1981年、原子物理学、日本)
日本人で最初にノーベル賞(物理学賞)を受賞したのは湯川秀樹博士だ。研究の業績は、一口で言えば、陽子と中性子を結合させて原子核を作っている「力」の正体を明らかにしたこと──だ。
すべての物質は原子からできている。原子は原子核と、その周囲を回る電子からなる。さらに原子核は、陽子と中性子という素粒子で作られている。ところが、この陽子と中性子を結び付けている「力」が分からない。
これについて、思い悩んでいたのが大阪帝国大学理学部講師の湯川博士(実際の博士号取得は1938年)だった。猛烈な暴風雨を伴う「室戸台風」の接近で大学が休講となっていた1934年9月21日の夜、兵庫県西宮市の自宅にいた湯川博士に、あるアイディアがひらめいた。
*****
スポンサーリンク
にほんブログ村