今西 錦司(1902~1992年、生態学・霊長類学、日本)
登山家で探検家、そして独自の動物社会学や進化論を展開してダーウィンの進化論に対峙した生態学者が、京都大学名誉教授の今西錦司(いまにし・きんじ)だった。
1933年の初夏、当時の京都帝国大学理学部の講師だった今西は、京都市内を流れる賀茂川の中で、いつものように水底の石をひっくり返しながら、熱心に小虫を採集していた。 小虫とは、研究テーマにしているヒラタカゲロウの幼虫だ。
「この時期は、いつも4種類の幼虫がいるのだが…」と、それぞれの川底の居場所を見つけながら、ふと面白いことに気が付いた。
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