ボーア, ニールス(1885~1962年、理論物理学、デンマーク)
高度約420㎞に浮かぶ国際宇宙ステーション(ISS)は、赤道に対して51.6度の傾きを保ちながら約90分の周期で地球を回っている。ISSの飛跡を世界地図(メルカトル図法)に降ろすと、S字の正弦波が、地球の自転によって1周22.5度ずつ西にずれながら地上軌道(グランドトレース)を描く。地球規模では粒子のようなISSが、波動性をも示すことの一例だ。
これに似た原子核と電子の関係を、太陽と惑星に見立てた原子構造モデルを考案し、1913年に発表したのがデンマークの理論物理学者ニールス・ボーアだった。
ボーアは新しい量子論の考え方を基に、電子は原子核の周囲にある何本かの安定した軌道上を運動し、より高い軌道から低い軌道に移った時に光を放つことなどの理論を示した。
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