ジェンナー, エドワード(1749~1823年、医学、英国)
「天然痘」(痘瘡:とうそう)というウイルス性の伝染病は、ヒトの皮膚に水疱(すいほう)や膿疱(のうほう)をつくり、時には、ほとんどの患者を死に至らしめた。幸いにも治っても、顔や腕などにあばたが残った。紀元前1100年代に没したエジプトのミイラにもその跡があったというから、人類は大昔からこの病に苦しめられていたのだ。
18世紀のヨーロッパでも、毎年多くの死者が出るほど、天然痘が流行していた。そのため、都会に住むどんな貴婦人もあばた面だった。しかしなぜか、よく牛の乳しぼりをする田舎の女性たちはあばたもなく、みな都会の女性よりも美しかったという。
「牛の痘そう(牛痘)にさわった人は、天然痘にかからない」。そんな言い伝えを聞いた、英国の田舎町の開業医、エドワード・ジェンナーは実際に自分で確かめることにした。
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