医学

コールタールで人工がん作成 発がん「刺激説」裏付ける

山極 勝三郎(1863~1930年、医学、日本)

 病気のがんは、人類の誕生以来の宿敵だ。近年は研究が進み、がんを発生させる遺伝子や逆に、抑えたりする遺伝子が見つかっているが、まだまだ撲滅するまでには至っていない。

 20世紀の初めには「がんは正常な細胞が変化したものだ」と分かっていたが、なぜ変化するのか原因については不明だった。人工的にがんをつくることができれば、がん化の原因の究明や有効な治療、予防の研究にもつながる。が、その作成の実験には多くの研究者が失敗していた。

 1915年に世界で最初に化学物質による人工がん(皮膚がん)の発生に成功したのは、東京帝国大学(現東京大学)医学部教授の山極勝三郎博士だった。

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