トムソン, ジョゼフ・ジョン(1856~1940年、物理学、英国)
電池にはプラス極(陽極)とマイナス極(陰極)がある。電池での「電流」はプラス極からマイナス極に流れるが、その反対に「電子」はマイナス極から出てプラス極に入る。
こうした逆転が起きたのは、イギリスの物理学者ジョセフ・ジョン・トムソンが、1897年に電子の存在を確定させたことがきっかけだった。
ガラス管の中にマイナス極とプラス極を置いて数万ボルトの高電圧をかけ、徐々に空気を抜いて行くと放電現象が起きる。さらに空気を抜くと、マイナス極から「陰極線」という光のビームが出てくる。
当時、陰極線の研究で先行していたドイツの研究者たちは、陰極線の途中で電圧をかけても、陰極線の進行方向が曲がらないことから「陰極線は電気とは無関係だ」と考えた。
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