木村 栄(きむら・ひさし)(1870~1943年、天文学、日本)
肉体的な疲労は睡眠で取れる。精神的な疲労はスポーツをすることで取れるという。
それを知ってか知らずか、自分たちの観測データの信頼性について半年あまり悩んでいた「水沢臨時緯度観測所」(現岩手県奥州市、国立天文台「水沢VLBI観測所」)の木村栄(ひさし)所長は、1901(明治34)年秋のある日、所員とのテニスを終えて研究室に戻り、改めて諸外国とのデータを見比べていて「あっ!」と気が付いた。
「緯度の観測そのものに、鉛直方向の周期性が見落とされているのではないか」
そう思い、世界の観測所(緯度φ、緯度λ)で共通して使われている「緯度の変化(⊿Φ)と極位置(X、Y)の関係式」に、新たに一つの項を付け加えると、観測結果をうまく説明できることが分かった。これを論文にまとめ(1902年1月)、追加が認められたのが「Z項」だった。
****
スポンサーリンク
にほんブログ村