ジュール, ジェームズ・プレスコット(1818~1889年、物理学、英国)
偉大な科学者は、必ずしも大学の教授や研究職員とは限らない。物理学の基本原理「エネルギー保存の法則」(熱力学第一法則)の確立に貢献し、エネルギー(仕事)や熱量、電力量の単位「ジュール」にもなっている英国のジェームズ・プレスコット・ジュールは、一生を家業の醸造業者として過ごしたアマチュア科学者だった。
子供のころから病気がちだったジュールは、学校には行かず、家庭教師に付いて勉強した。その家庭教師の一人に原子論で有名な物理学者ジョン・ドルトンがいて、16歳から3年間、科学や数学を学んだ。ジュールは読書と実験が好きで、20歳の時には自宅を改造して実験室も作った。興味をもったのが、当時発明されたばかりの電動モーターだった。
モーターは電気によって回転し、物を動かすなどの仕事をする。ジュールは、モーターが動いている途中で熱が発生することに気づき、電気のエネルギーが熱エネルギーや運動(仕事)エネルギーに変わる仕組みなどについて研究するようになった。
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